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 今日は少し良いニュースが飛び込んで来ました。おそらくこの記事は読み飛ばす人が多いと思いますが、「ちょっと待った」ですよ。第一次産業が日本から抜かれていない状況が来るかも。(期待)

農協スーパー、国産“100%”宣言
≪Aコープ3社「生産者の顔が見える」≫

 全国農業協同組合連合会(JA全農)の関連会社で、食品スーパーを展開しているAコープ広域3社は17日、各店舗で扱う精肉と野菜を原則として国産品に限定すると発表した。食の安全・安心を消費者にPRし、「地産地消」の推進がねらい。牛・豚・鶏・ひき肉は国産100%とし、生鮮野菜はごく一部の例外を除いて輸入野菜を取り扱わないという。
 「精肉・生鮮野菜国産こだわり宣言」をしたのはエーコープ関東(関東33店舗)、エーコープ近畿(近畿30店舗)、Aコープ九州(北部九州34店舗)の3社。これら97店舗では同日から野菜は(1)地元産(2)所在都府県産(3)国産-の順で取り扱いを優先することを始めた。
 ニンニクなど内外価格差が大きいものや、国産品の端境期がある野菜計8種(関東は9種)については例外としているが、「平成22年までに商品開発などを進め、国産取り扱い100%を目指す」という。また、精肉では味付け肉と加工品、馬肉、羊肉、内臓肉などは対象外とした。
 全農では「取り組みを全国へ順次拡大していきたい」としている。
(05/17 21:45)


 JA経済連(小売部門はAコープ)がほぼ一致して動き出しました。経済連という組織は各組織の独自性が強く、全国的な統一組織になるのはかなり難しい、と聞いております。国内生産者同士の販売競争がそのまま経済連同士の競争に反映しているようです。その競争を小売店であるAコープが引っ張って品質の向上につなげるのは良い経営努力でありますが、Aコープ自身が価格競争に勝つために巨大チェーンストアと同様、食料品を国外から輸入しなければならないという矛盾があります。JA経済連の元締めであるJA全農の加盟者は国内農業生産者であるにも関わらず、です。

 スーパーマーケット業界最強と呼ばれるイトーヨーカドーの売り上げ構造は「誰でもいいから原価ぎりぎりの商品を持って来い!それをウチだけに納入する気なら買ってやる」の一点ばりですから単純です。しかしAコープはそうは行きません。売り上げ構造が「国内の生産者が作り、国内で売る」ですから要件が複雑です。だからAコープは発展しないんだ、と言ってしまえばその通りです。しかしイトーヨーカドーは生産者を徹底的に叩いて便利な下請けにしますが、Aコープは生産者の生活を守ってくれます。

 今までの小売常識は「方法は何でもいいから安く大量に仕入れる」が奥義でしたから(イトーヨーカードーは納入時間の絶対厳守・見た目の良さまで完璧に近いものを要求されます)Aコープは巨大チェーンストアのようなツワモノを目指せませんでしたが、時勢が変化して来ております。中国野菜の農薬問題・アメリカのBSE問題・鳥インフルエンザ問題とこれだけ食糧問題が多発すれば、原価が少々高くとも国内産に注目が集まるのは必然です。もちろん安全保障上、食糧自給率を高める必要性もあります。自分の生活圏内にAコープはありませんが、記事のとおり、ずっと国産でがんばって欲しいものです。(国産“100%”宣言はアメリカ寄り政治家・中国寄り政治家はどう感じるでしょうかね? これが日本の消費者が求めるムーブメントになったら、国際政治が間違いなく関与してくるでしょう

 冒頭の記事を「たかが小売店、野菜や魚を売ってるところじゃないか」と思って見過ごしたらいかんですよ。小売業は消費者の意向を反映しますので【日本の消費者は販売者に国産100%を求めている】というシグナルだと受け取って良いでしょう。消費者が国産であることを求めていないなら、販売価格の差が大きい中国産ニンニク(5個で200円くらいだったかな?)と日本産ニンニク(1個200円くらいだったかな?)が陳列棚の隣同士に置かれ、なぜか日本産が消えずにずっと共存している理由が説明できません。しいたけも隣同士に置かれて、共存し続けています。
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